国内SAF製造に向けた廃食用油回収の取り組み
航空業界では、2050年カーボンニュートラル達成に向け、持続可能な航空燃料(SAF)に注目している。SAFは従来のジェット燃料が原油から精製されるのに対して、廃食用油、サトウキビなどのバイオマス燃料や、都市ごみ、廃プラスチックを用いて生産される。廃棄物や再生エネルギーが原料のため、ジェット燃料と比較して約60~80%のCO2削減効果がある。しかし、原料となる廃食用油やバイオマス等の調達が課題となっており、まだ日本では本格的なSAF製造は行われていない。東京都では、SAFの原料となる廃食用油回収の拡大を図り、SAF製造へつなげる新たなサプライチェーン構築を後押しするため、昨年4月に「廃食用油回収促進に係る事業」2件を採択した。この2件のそれぞれ中心を担う企業に、廃食用油回収のこれまでと今後について取材した。