むつ中間貯蔵施設の搬入出計画を提示 東電・原電 使用済み核燃料、福島からも

青森県むつ市の使用済み核燃料の貯蔵施設を巡り、東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長と大手電力11社が出資する日本原子力発電の村松衛社長は7日、青森県庁を訪れ、宮下一郎知事に初めて搬入・搬出の長期計画を提示した。宮下知事やむつ市の山本和也市長の要請を踏まえたもので、昨年11月から貯蔵が始まっている東電HDの柏崎刈羽原発に加え、福島第1原発5、6号機、福島第2原発1~4号機などからも搬入する方針を明らかにした。

宮下知事は「(数字的には)一定の説明があったと受け止めており、一定の不安解消につながった」と評価した。面会は中間貯蔵施設を運営するリサイクル燃料貯蔵施設会社(RFS、むつ市)の高橋泰成社長も同席した。

中長期計画によると、中間貯蔵施設への搬入量は徐々に増え、2030年代には年200~300トンに達する。40年代初頭には1棟目(貯蔵容量3千トン規模)の貯蔵施設が満杯になると想定。将来的には4千~4500トンの貯蔵容量が必要になる見通しで、2棟目(同2千トン規模)を建設して対応する。

搬入の対象は、東電の柏崎刈羽原発、福島第1原発の5、6号機と共用プール、福島第2原発の1~4号機のほか、原電の東海第2原発、敦賀原発1、2号機などの使用済み核燃料。東電と原電以外の関西電力などの原発の使用済み核燃料が対象になるかどうかは明らかにしなかった。

搬出は、貯蔵期限の50年目までに全ての使用済み核燃料を中間貯蔵施設から運び出す。大手電力11社が出資する日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)への搬出量は年約300トンを見込む。六ケ所再処理工場は26年度の竣工を想定した。

なお、今回の青森県むつ市の「使用済み核燃料」中間貯蔵施設は、福島第1原発事故で生じた放射性汚染物質を除去した後の「除去土壌」中間貯蔵施設(福島県大熊町)とは全くの別の施設である。