関西オートメイション 代表取締役 宮坂 典央 氏 商品力を盾に提案力磨き、全社的ステージアップを
上下水処理場向け超音波式スラッジ濃度計に期待
――昨年のビジネスはいかがだったか。
一昨年前から強化してきた営業活動、ホームページの活用、展示会への出展、常設展示など一連のPR活動による種まき効果が徐々に出てきており、新規もリピートも売り上げは伸びている。レベル計は、VEGA社(ドイツ)の日本総代理店としての売り上げもあり増収、環境機器は商談時期が長く急には増えないため微増というところだ。奈良県生駒市の常設展示会場は、VEGA専用、レベル計、環境機器それぞれのブースを折々に展示品を入れ替えてリニューアルし、商談時には最新の機器を見て、触って、動作や検知、計測値表示の確認などをしてもらえるようにしている。製品の原理が学べるので、新規導入時の勉強会ほか商社や代理店の新人研修などにも活用いただいている。また、総合カタログも刷新した。ダストモニターは、製品ラインアップは変わらないが内容的にアップデートしている。レベル計に関してはVEGAのラインアップを充実させ、専用カタログも用意した。

――グローバルブランドVEGAの魅力は。
世界最高峰のレーダーテクノロジーはさすがだと、扱ってつくづく実感している。メイン機種の「VEGAPULS 6X」(80ギガヘルツ帯)は、いかなる環境下でも高精度な測定ができ、アプリケーションも豊富。粉・粒・液体を一台で対応できる。国内防爆を取得し電波法にも対応しているので活用の範囲が幅広い。業界内、価格勝負になりがちな情勢ではあるが、付加価値のある商品なので、できるだけ価格競争に巻き込まれず、製品スペックを十分に理解して自信をもって販売していきたいと思う。営業担当にとって、商品力は何よりも大きな味方。高性能な名ブランド製品を扱うということで社員のモチベーションも上がっていると感じる。
――製品面でのトピックスは。
環境計測器の8割を占めるダストモニターの中でも、主流は超高感度・高精度に測定できるエレクトロダイナミック方式のVIEW370になってきている。静電誘導の原理を応用しダストの粒子を非接触で検出するもので、摩擦電荷方式や光学的検出方法に比べダスト付着の影響を受けにくく、メンテンスも不要で、安定性が高い。環境省の環境技術実証事業(ETV事業)でも認証されており、排ガスのばいじん濃度を精密に計測して記録するので、バグフィルター(集じん装置)の性能監視やフィルターの異常発見、省エネなど役立つ。これまで20年以上ダストモニターに取り組み、「バグフィルターの保守管理用として活用を」という弊社の提案が定着してきたところだが、面白いことに最近はこの機種を「粉体流量計」として利用するニーズが高まっている。確かにダストでなくても粒子・粉体であれば精確に計れる。観点を変えれば大きく用途を広げることができるので、今年は打ち出し方を変えて積極的にPRしていきたいと思う。環境関連の特殊計測器では、超音波式スラッジ濃度計「ENV200」を推していきたい。水中の汚泥の濃度を計るもので、韓国では浄水・下水処理場に多く導入されている。製紙・パルプ
、化学、食品などさまざまな工場でニーズがあると思うが、やはり最もお役に立てるのは上下水の処理場だろう。官公庁関連の施設は実績がないとなかなか導入してはもらえないが、この商品は仙台市や大阪市の下水処理場などから問い合わせがあり、試験導入も行っている。経過を見て本採用になる予定だが、すでに好結果が出ていると聞いており、今後が楽しみだ。官公庁に強い代理店などを中心に紹介活動を行って市場開拓していきたい。VEGAでは、液体用音叉式「VEGASWING」、粉体用音叉式「VEGAWAVE」、小型ながらハイスペックな静電容量式「VEGAPOINT」などのレベルスイッチと、マイナス90℃から400℃まで幅広い温度領域で測定できる圧力計「VEGABAR」をラインアップした。いずれもシリーズになっており、対象物や用途、使用環境に応じてカスタマイズできるので、提案の幅が一層広まった。
――今年の抱負は。
VEGAの国内総代理店として、メーカー側の要望や割り当てに応えていかなくてはならないことも多く、会社全体が意識を変えなくてはいけない時機にあると思う。高品質でオリジナリティのあるプロダクツが揃ったので、社員がそれぞれに商品知識や提案力を高め、現場ニーズに的確に応えながら、全社的にステージアップしていきたい。