青年部会長全国駅伝トーク~循環型社会への襷~(36) 奈良県産業廃棄物協会青年部会部長(太陽企業)川崎 勝久 氏

大分県産業資源循環協会青年部会の佐藤宏哲部会長のたすきを受け、今回登場するのは奈良県産業廃棄物協会青年部会の川崎勝久部長。今年度から部長に就任した川崎氏は、会員拡大を最大の課題に掲げる。昨年度までは新型コロナウイルスの影響で集合型の活動はほとんどできない状況だったが、今年度以降は徐々に顔を合わせての活動を増やしていく方向だ。現在親会である奈良県産業廃棄物協会の会長、副会長2人のそれぞれの息子が青年部の部長、副部長、会計を務めるという全国でも珍しい体制となっている。親会との二人三脚で活動に取り組み、青年部を活性化させて業界を盛り上げていく考えだ。

――奈良県青年部の状況は。

昨年度までの2年ほどはコロナ禍で青年部としての活動はほとんどできず、久々に部員が集まって開いたのが4月の総会で、私はそこで部長に就任した。コロナ前は夏に納涼会、年末に忘年会を行ったり、視察会も実施していて、年に1回は県外の研修視察を行っていた。近畿ブロックが主催するスポーツ交流会などのイベントにも参加してきた。

――今年度から部長に就任したが、改めて抱負や心がけていることは。

部員数19人と比較的少数な上全体的に年齢も上がってきているので、やはり会員拡大が課題だと感じている。また、今まで青年部長を務めた方々は部員時代も含め長い間尽力されてきているので、そうした方々に負けないよう今まで築いてきてくれた奈良県の基盤をさらに強固なものにするとともに、奈良県の存在をもっと近畿ブロックなどでもアピールしていきたいと思っている。

――今年度の奈良県青年部の活動は。

ようやくリアルに集まっての活動もできるようになってきており、9月には滋賀県、和歌山県の青年部メンバーと合同で福岡の青年部会員企業を訪問する視察研修会を実施した。私は他の幹事メンバーと比べて青年部の所属歴がそれほど長くなく、まだお会いしたことがない方もいるので、本来今年はメンバー一社一社にあいさつに回りたいと思っていた。ただ、まだコロナの影響もあったので、来年もう少し状況が落ち着いてから実行しようと考えているところだ。今後はやはり研修会やその後の懇親会など、皆と集まる機会をできるだけ増やしていきたい。

――青年部に参加する意義は。

やはりさまざまな繋がりができることがとても心強いと感じている。当社は産業廃棄物の収集運搬や一般廃棄物がメインで、顧客から依頼があった時に県内、県外で相談できるところがあるというのは大きい。奈良県青年部や近畿ブロックのメンバーにいろいろ相談する中で、当社が扱っている特別管理産業廃棄物の収集運搬などで仕事の依頼を受けるということもある。そういうメンバーとの繋がりは大きなメリットだ。

――父親である川崎勝也社長が親会の会長を務めているが。

全国でも例のないケースだと思うが、現在親会の会長、副会長2人のそれぞれの息子が青年部の部長、副部長、会計を務めている。私自身は親子で役についていることで特にやりづらさは感じておらず、父も青年部長を経験したし他の皆さんも青年部活動に長く取り組まれてきた方々なので、理解してもらえることも多く、親会との繋がりもより密になっているのではないかと思っている。

――近畿ブロックの活動に感じることは。

近畿ブロックは全国青年部の情報を皆に共有してくれ、全国がどのような活動をしているのかを理解できるのでとてもありがたいと思っている。また、社会貢献事業にも取り組んでいる。今年度から伊山雄太ブロック長のもと新体制となったが、伊山ブロック長は積極的に前に出るタイプだと思うので、今まで以上に近畿ブロックを全国にアピールしてくれるのではないかと期待している。

――奈良県青年部の課題は。

先ほども言ったが、やはり人員拡大が最大の課題だろう。他地域には部員数を増やしているところもあるので、そうしたところにどのように拡大を図ったのか、また最近青年部に入会した方になぜ入会したか、どのようなところにメリットを感じたかなど話を聞いてみたいと思っている。他の地域のように経営層以外の一般社員に部員になってもらうということも視野に入れる必要もあるかもしれない。ただ、まだ経営層の中でも部員になってもらえる可能性のある人がいると思うので、まずはそうした人たちに呼び掛けていきたい。他に課題としては情報共有の徹底がある。近畿ブロックの幹事メンバーなどは情報共有が図れているが、県の部員全員に情報が浸透しているかというとまだ不十分な面があるだろう。

――廃棄物処理業界の今後のあり方は。

もっと社会に認知され影響力もあるような職業になって行ければ良いと思っている。エッセンシャルワーカーなどと言われるようになったが、それでもまだ職業的にあまり良いイメージを持っていない人も多い。先日も就職情報サイトの「底辺の職業ランキング」にごみ収集が入っていたのをみてショックを受け、悲しい思いをした。エッセンシャルワーカーと言われながら、実際はそうした印象を持たれている。こうした状況を変えるため、業界の認知度、影響力を高めていきたい。危険、汚いといったイメージをクリーンなものに変えてきたい、そのためにはもっと業界団体や個社がアピールしていくことも必要だと感じている。私は以前神奈川県の廃棄物処理業者に勤務していたが、神奈川には積極的に発信を行っている会社もあったので、そうしたところも参考にしたい。当時私は神奈川県産業資源循環協会の青年部に所属しており、2県の青年部を経験したことになる。こうした例もあまりないと思うので、この経験も今後活かしていければと考えている。

――駅伝トーク、たすきをつなぐ相手は。

和歌山県産業資源循環協会青年部会の今井幸世部会長につなぎたい。

(聞き手・黒岩修)

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奈良県産業廃棄物協会青年部会部長(太陽企業) 川崎勝久氏