CE_環境新聞様_オンライントップバナーW 850 × H 150(PC用)

東風西風とうふうせいふう

地球の気温が未知の領域に到達する。世界気象機関(WMO)のターラス事務局長のこの警告で思い出した。環境省が2019年に公開した動画「2100年 未来の天気予報」。パリ協定の「1・5℃」目標を達成できないと、東京の気温は43・3℃、熱中症の死亡者は1・5万人を超えると伝えた▼WMOが5月に公表した報告書によると、世界の平均気温は今後5年間で少なくとも1回は観測史上、最高となる確率が98%ある。「1・5℃」以上に高くなる確率も初めて5割を超えた▼気温上昇の主因は、数カ月以内に発生するエルニーニョ現象と気候変動。この現象が発生すると、日本の夏の気温は低くなる傾向にある。だが、今夏はそうならないようだ。気象庁の予測では、今夏の平均気温は北日本で平年並み、東・西日本で平年並みか高い。ラニーニャという、エルニーニョと逆の現象の影響がまだ残っているからだという▼気象は複数の現象が複雑に絡み合っている。だから予測は難しい。だが、気候変動が不可逆的であることは間違いない。未来予報を笑い飛ばせない事態が進行している。今国会で熱中症対策を強化するための気候変動適応法が改正されたが、熱中症に限らず、気候危機から生命を守る「適応」策の加速が必要だ。(宜)