東風西風とうふうせいふう

新学期が始まる4月6~15日は春の交通安全週間の期間だったが、先日、この期間に、徒歩の小学生や自転車で通う高校生の脇をかなりのスピードですり抜けているごみ収集車を見かけた。時間指定の回収場所に向かうためだったのか、そこのけそこのけと言わんばかりに感情がアクセルの踏み具合に表れているようだった。こんなシーンを見てしまうと、同じく毎日のように町中で見かける宅配業者の丁寧な運転とマナーの差を感じる▼ただ、そもそも道が狭い都心部などは人々が往来する時間帯にごみ収集作業に完全なマナーを求めるのは難しい。マナーが悪い歩行者や自転車がいるのも事実だ。スクールゾーンのエリア拡張などにも限界があるし、車に遭遇しないで通勤や通学するのは困難である▼交通事故総合分析センターの調査によると、2017~21年度の間に、ごみ収集車が第1当事者(最初に交通事故に関与した車両など)となった死亡事故は39件、重傷事故は150件だった。この数字をどう捉えるかだが、いずれにしても事故件数の多少で注意喚起を強化するのではなく、「ヒヤリハット」の段階で芽を摘む必要がある。ぜひ、市町村と所轄の警察にも加わってもらい事故の事前回避に努めてもらいたい。(平)