東風西風 とうふうせいふう

2023年も残りわずか。環境に関するトピックを振り返ってみたい。COP28では、化石燃料からの「脱却」を進めることで合意。1・5℃目標達成のために温室効果ガス排出量を35年までに60%に削減する必要が明記された。国内ではGX推進法が施行され、投資促進策とカーボンプライシングなどの規制・制度の両輪でGXを進める仕組みができた。国民の行動変容、ライフスタイルの変革を後押しする「デコ活」がスタートした▼資源循環では、静脈産業を脱炭素型システムへと変革する検討が始まった。動静脈連携や官民連携がキーワードに挙がる。生物多様性の損失を止め回復へと反転させる自然再興の取り組みも動き出した。民間の生物多様性の取り組みを「自然共生サイト」に認定する制度も本格的に始動した▼PFAS(有機フッ素化合物)は、基地周辺といった一部地域の問題ではなくなった。国際的な動向を踏まえた上で、モニタリングの強化による実態把握、リスク評価・コミュニケーションが急がれる▼下水道分野も24年4月の上下水道一体行政への移行、ウォーターPPP、下水汚泥の肥料利用など話題に事欠かなかった。来年の甲辰は、努力が実りやすい年だという。新たな目標に挑戦し、成果を生む年にしたい。(宜)