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東風西風とうふうせいふう

環境は四角か、丸か、三角か。慈愛にあふれた神の容貌か、温暖化でぐつぐつに煮立った鬼かも知れない。奇妙な話で恐縮だが、これほど人と親しい「環境」とは一体どんな形をしているのだろう▼先日、環境省幹部へのヒアリングを傍聴する機会があった。当社の上司が「環境省にとっての環境とは」と投げかけたら、その方は「時間とともに範囲が広がり境目がなくなってきた」と印象を述べてくれた。つまり「環境」は何か、拡大するものと言えるだろうか▼環境白書を紐解くと、公害問題の頃から確かに環境は拡大の一途だ。都市や産業地近くで点的だった汚染源は、やがてそれらをつなげ面的な領域へ対策が充実した。戦前から国立公園があったことを除くと、同白書のごく初期で森林地は公害を遮断するグリーンベルトの役割が目立つ。環境はこの頃、公害を引き起こした生々しい人間の顔をしている▼温暖化や生物多様性はあらゆる国土に緻密な網を掛ける。海洋プラスチックは少なくとも排他的経済水域内へ手が伸びる7つの海の問題だ。環境はさらに広がる。近い将来、邦人が宇宙空間で社会を営む頃、生命の権利につながる人々の「宇宙環境」は。これまでの点や面の環境行政から、高度を伴い立体的に発展するのか。(潤)