東風西風 とうふうせいふう
「水俣病訴訟支援・公害をなくする県民会議医師団」(事務局長=高岡滋・神経内科リハビリテーション協立クリニック院長)は2022年12月、「環境省の『脳磁計・MRI研究』についての見解」を記者発表している▼それによると、水俣病特措法に健康調査の規定があり、環境省は何らかの調査の実施を余儀なくされ、そのなかで出てきたのがこの研究だと説明▼また、特措法では「広くメチル水銀による健康障害を調査・探求していくということが想定」され、自覚症状や医師の診察も含め曝露を受けた広範な多数の人々を対象とした継続的調査が求められているとしている▼そのうえで、この研究は、調査対象数が極めて少ないなど5つの理由から、特措法に規定された健康調査に該当しないと強調。また、特措法に規定された健康調査は既知の手法で開始でき、「メチル水銀中毒症の健康調査の手法を開発中」という環境省の説明は、調査をしないための言い訳に過ぎないとしている▼さらに、本来なすべき疫学調査とは無縁な研究を計画することで、あたかも必要な調査をしているふりをし、疫学調査を拒否していると批判している。これが「人の命と環境を守る」環境省のすることなのか。環境省の浄化が必要である。(真)