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東風西風とうふうせいふう

クマによる人身被害が増えている。環境省によると、今年度の被害者は9月末までに死亡者2人を含め109人。統計開始以降、最多のペースとなっている▼クマ被害が増える要因の一つは食料不足。今年は東北を中心にドングリが不作だという。秋は冬眠に備えて食欲が増す時期だけに、食料を求めて人里へ出没するクマの増加が懸念される▼食料不足のほかには里地里山の変化もある。過疎化や高齢化により管理が行き届かなくなった耕作放棄地などを通して、クマが人の生活圏に近づけるようになった▼クマの出没を抑えて被害を軽減するにはどうすればよいか。環境省のマニュアルでは「人とクマのすみ分けが鍵」だとし、廃棄された農作物や放棄された果樹、生ごみなどを除去するとともに、耕作地を電気柵で囲んだり、耕作放棄地を整備することで、出没自体を減らすことが重要だと指摘する▼人身事故は生息地で多く発生している。被害を防ぐには生息域に立ち入らないことが重要だ。どうしても立ち入る際は目撃・出没情報を確認し、クマよけの鈴やラジオなど音の出るものの携帯が有効になる。それでも遭遇したら、クマから目を離さず静かにその場を立ち去ること。行楽シーズンが本格化するなか対策の徹底が求められる。(宜)