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非化石証書の調達と管理業務を支援 環境価値管理サービス「Re:lvis」無料トライアル実施中 BIPROGY

カーボンオフセットの新たな潮流

再生可能エネルギーを含む非化石電源から発電された電力が持つ環境価値は、現在「非化石証書」として見える化され、取引が可能になっている。2021年11月より、日本卸電力取引所(JEPX)の「再エネ価値取引市場」でFIT非化石証書を対象に需要家による直接購入と仲介事業者による購入の代行が可能になった。トラッキング情報付与は経済産業省での実証を経て、JEPXにより運営されているが、この事務局業務の委託を経産省から受けたのがBIPROGYであり、トラッキング機関として発電種別や地域の属性を管理し、その結果をJEPXの口座管理システムと連携している。

同社は取引を行いたい企業に向け、取引市場での入札から割当までを支援する環境価値管理サービス「Re:lvis(リルビス)」の提供を本年の3月から本格的に開始しており、その概要を角田有希氏、樋口慶氏、輿水幸佑氏に聞いた。

BIPROGY_LVIS

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角田 カーボンニュートラルの実現に向け、省エネを行ったり太陽光パネルを設置したりしても実現しきれない分は環境価値を使いオフセットできる制度が整ってきており、非化石証書購入もその一つ。従来非化石証書は小売電気事業者のみが入手できたが、21年に制度改正され、一般企業も自社のカーボンニュートラル実現のため直接市場から入手できるようになった。また、調達した非化石証書をその他の企業に販売する仲介事業も可能になったことを受け、非化石証書の取引量は増加傾向にある。

非化石証書を入手するためにはJEPXへの会員登録が必要で、会員登録後に市場での調達が可能になる。「再エネ価値取引市場」では年4回のオークションが行われるが、取引を行う業務には、情報の取りまとめが煩雑になるという課題がある。取引では、オークションの前に購入したい証書量と属性の割当申請を行う。

その後オークションに参加し、約定した証書の割当を行い、JEPXの口座管理システムで権利確定処理をする。このように、各場面に合わせて情報を取りまとめる必要があるが、手作業で行われていることが多く、取引数が多くなると対応できなくなる可能性がある。この課題解決のために当社が提供を開始したのが、環境価値管理サービス「Re:lvis」である。購入に関わる複数の情報を取りまとめ一元管理するため、担当者の業務負荷を軽減し、人的ミスも防げる。

BIPROGYではサービス開始以降、定期的なバージョンアップを行っている。開始時点では、非化石証書調達のための入札管理の他、約定した証書の割当管理により情報を一元管理できる「調達のベース機能」を提供し、仲介事業者を中心に採用されている。8月には新たに小売電気事業者の証書取り扱い業務のフローに合わせた「小売電気事業者向け機能」の提供を始めた。小売電気事業者向け機能では、電気と非化石証書をセットで提供する再エネメニューのメニュー情報管理から、FIT/非FIT非化石証書の調達計画の策定、非化石証書の相対調達・市場調達の双方の情報管理が可能となっている。

非化石証書には有効期限があるため、期限内に活用するためにも管理は必要だ。現在は供給が需要を上回っているが、需要の高まりに応じて1回のオークションでは購入できない場合も想定され、小売電気事業者や仲介事業者が在庫として確保した非化石証書を有効期限内に需要家に割り当てるための管理にも使える。

サービス導入に興味をお持ちいただいた場合は、3カ月間の無料トライアルも準備しており、注文受付、入札、割当までの一連の操作を確認できる。

樋口 非化石証書は国内の環境価値のなかでも流通量が多く、比較的活用がしやすいと考えている。例えば、グループ全体で多くの電力を使用している企業では、代表企業が仲介事業者としてJEPXに会員登録して証書を調達し、グループ会社に割当を行うことでグループ全体のカーボンニュートラルを進めることができる。

調達の担当は、カーボンニュートラル推進部署が行うことが想定されるが、非化石証書の購入に時間を使うのではなく、本来はカーボンニュートラルの実現に向けた施策実施に注力すべきであり、主業務に注力するためにも支援サービスの導入は有効であると考えている。

輿水 本ツールは証書の購入や在庫管理など事務手続きだけではなく、企業として非化石証書を効率的・効果的に使用するためのプラットフォームとして開発している。

SaaSサービスなので今後はさらに機能を追加していく予定。入手した非化石証書の自動割当や、各種報告に資するレポーティング機能など、既存機能に対する追加要望も多数寄せられており、順次優先順位をつけながら対応していく。さらにGHG排出量算出ツールを手掛ける多数のシステムとも連携させていく想定。また、Jクレジットやグリーン電力証書といった非化石証書以外の環境価値も一緒に扱えるよう、バージョンアップする予定だ。

将来的には、全ての企業のカーボンニュートラル実現に向けた統合的なサービスを展開していきたい。

カーボンオフセットの新たな潮流・非化石証書の調達と管理業務を支援 環境価値管理サービス「Re:lvis」提供開始    BIPROGY_社会公共サービス第一事業部 角田有希氏
社会公共サービス第一事業部 角田有希氏
カーボンオフセットの新たな潮流・非化石証書の調達と管理業務を支援 環境価値管理サービス「Re:lvis」提供開始    BIPROGY_社会公共サービス第一事業部 樋口慶氏
社会公共サービス第一事業部 樋口慶氏
カーボンオフセットの新たな潮流・非化石証書の調達と管理業務を支援 環境価値管理サービス「Re:lvis」提供開始    BIPROGY_金融ビジネスサービス第一本部 輿水幸佑氏
金融ビジネスサービス第一本部 輿水幸佑氏