炭素価格最低3千円/トンの検討を JCLPがCPの制度設計で提言

気候危機の克服と脱炭素社会への移行に積極的に取り組む経済団体である日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)がこのほど公表した「成長志向型カーボンプライシング(CP)の制度設計に関する提言」によると、発電部門のエネルギー転換を促進する炭素価格の水準として、足元で最低でも1㌧当たり約3千円(CO2換算)の検討を求めている。また、日本の鉄鋼、セメント、化学等の分野における脱炭素製品が競争力を持つことができる炭素価格の実現を視野に入れた検討を求めている。

提言ではまた、経済産業省の「GXリーグ」の自主的な排出量取引は、より実効的な制度化に向けて、多量排出者を対象とするキャップ&トレード方式へ分野別に順次移行することが必要としている。さらに、浮体式洋上風力や次世代型太陽電池等のイノベーションの加速と、再生可能エネルギーや省エネ等の既存の脱炭素技術の普及に対し、十分な財源配分を求めている。

一方、多量排出設備の再エネ発電設備や蓄電設備等への転換を支援するとともに、影響を受ける労働者にも配慮し、スキル取得の支援や転職支援を行うことが重要としている。

また、低所得者層などエネルギーに対し脆弱な世帯が取り残されることがないよう、化石燃料への依存を減らすための直接的な給付や支援が非常に重要としている。