産廃と私~弁護士50余年の歩み~⑪ 弁護士 芝田 稔秋 第3期 1980年代(昭和55年以降)(1)
廃棄物の増加、多様化とともに不法投棄が社会問題に
1.1980年当時の社会・経済状況
廃棄物の発生および処理の観点から見た1980年当時の社会・経済状況は、相変わらず大量生産、大量消費、大量廃棄の生活が常態であった。廃棄物の増加や質の多様化がますます進むとともに、不法投棄が社会問題化し、中間処理施設や最終処分場の不足が深刻化するなど、廃棄物に関するさまざまな問題が発生していたと思う。そのため、産業廃棄物(以下、産廃という)の発生そのものを抑制するよう喧伝され、多くの問題が指摘された。
処理業者だけでなく排出事業者による不法投棄、最終処分場の逼迫、廃棄物の海への不法投棄と海洋汚染、ゴーストネットにひっかかったり、プラスチックごみを食べたことでウミガメやクジラや魚や鳥が死ぬなど、地上も海も廃棄物による被害の話題が噴出した。

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