東京大学名誉教授 山本良一 気候地獄の現状と脱出法について もっと報道を

2007年から3年続けて「温暖化地獄」について本を出版したところ、経済同友会など多方面から講演依頼を受けた。洞爺湖サミットが開催され、2℃ターゲットが受け容れられ気候政策は良い方向に向かっていたが、東日本大震災の発生もあり、頓挫してしまった。その後、15年のパリ協定に続き、18年からグレタ・トゥンベリなど子供たちの「未来のための金曜日」運動や科学者たちの「絶滅への反乱」運動に刺激されてオーストラリア発の「気候非常事態宣言」運動が世界的に活発化した。筆者らは「気候非常事態ネットワーク」を設立し全国の自治体に気候非常事態宣言とカーボンニュートラル実行計画の作成を呼びかけた。幸い137余りの自治体が宣言したところで、新型コロナウィルスの世界的蔓延によりこれも頓挫してしまった。

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