豪州商用グリーン水素事業で統合制御システムを受注 ヨコガワ・オーストラリア

横河電機は先月30日、子会社のヨコガワ・オーストラリアが、フランスのテクニップ・エナジーズ社からオーストラリア最大の商用グリーン水素プロジェクトの初期フェーズにおける統合制御システムのサプライヤーに選定され、グリーン水素プロジェクト「ユリ」の同システムを受注したと発表した。

同プロジェクトは、フランス電力大手のエンジー社の100%子会社であるエンジー・リニューアブル・オーストラリア社と、三井物産が出資する豪州事業会社のユリ・オペレーションズ社が運営している。

設計・調達・建設・試運転を手掛けるテクニップ・エナジーズ社とオーストラリア大手建設会社のモンフォード・グループのコンソーシアムは、18メガワットの太陽光発電設備と8メガワットの定置用蓄電池システムを利用して水素を製造する10メガワットの電解槽を西オーストラリアのピルバラ地区に建設。これにより、生産過程でもCO2を排出しないグリーン水素を年間最大640㌧製造する。

隣接するヤラ・ピルバラ・ファ―ティライザー社の既存アンモニア製造プラントの原料となり、再生可能エネルギーを用いCO2を排出しない方法で製造されたグリーン水素と窒素を合成した「グリーンアンモニア」が製造される。グリーン水素からアンモニアを生産するのはオーストラリアで初の試み。操業開始は2024年の予定。

ヨコガワ・オーストラリアは同プロジェクト向けに、統合情報サーバを中核とする統合制御システムを構築。同サーバはさまざまな通信規格に対応しており、各設備が扱う大量のデータを集約し一元管理を実現することで、操業の迅速な意思決定を支援することができる。

グリーン水素プロジェクト「ユリ」の完成予想図
グリーン水素プロジェクト「ユリ」の完成予想図