東風西風とうふうせいふう
気候ネットワークは先月のIPCC第6次評価統合報告書の発表を受け、「1・5℃目標達成と気候危機回避に向けて、今すぐ、でき得る限りの気候変動対策を」と題する声明を発表した▼それによると、報告書では、産業革命前からの気温上昇を1・5℃に抑える場合、2020年代中に温室効果ガスの急速で徹底した排出削減を即時に行う必要性を指摘。具体的には、1・5℃目標を達成するため、排出量を19年比で35年に60%、40年に69%、50年に84%削減する必要があるとしている▼一方、日本政府の対応について、声明では報告書の方向性に逆行していると指摘。政府のGX基本方針などの取り組みは、種々の重大な課題を抱えた原子力を維持・拡大し、早期廃止が求められている石炭火力を延命させ、再エネ拡大など必要な対策の促進を妨げるもので、産業競争力を低下させ、電力コストの上昇などによる国民負担を増加させるとしている▼声明でも強調されている通り、今回のIPCC報告書を受け、日本政府は原発依存・化石燃料依存の気候変動・エネルギー政策を根本から見直し、再エネの大幅導入と大胆な省エネ推進に転換を図り、35年の削減目標を強化・達成することで、先進国としての責務を果たすべきだろう
。(工)