東風西風(2025年3月26日)
世の中、一緒に合わせて良いものと悪いものがある。混ぜるな〝チュー意〟の味噌汁があるし、リチウムイオン蓄電池を絶対に燃やすごみに入れてはならない。世論とパッカー車が爆発する。ごみ出しルールを破るなら刑事罰に当たることも。マヨネーズがお酢と油と卵の黄身で出来あがるようには、具合よく合わさり人々を喜ばせる一品は普通なかなかお目に掛かれない▼食品チェーンの提供した定食の味噌汁に〝渦チュー〟の異物が混入。店舗衛生や管理側の不手際を糾弾する声が上がり一躍話題となった。誰も入れたくて入れたわけではない。煮られたくて煮られたわけでもないだろう。食い詰めたら思いも寄らないことをする。足だって滑る。味噌汁に溺れる。窮鼠鍋に入る▼異質なものを混ぜ合わせることに慎重であるべきだ。米トランプ大統領は立て続けに繰り出す環境規制の緩和で、ここ数十年来、世界的に進んだ環境価値への合意を一挙に虚偽として貶めようとしている。政治的パフォーマンス、一流のイデオロギー、あるいは深遠な世界戦略の一環か。 いずれにしろありふれたグリーンウォッシュと気候変動対策を混ぜこぜにするのは注意どころか危険ですらある。我々も煮立つのか。ネズミの悲鳴が聞こえないだろうか。(潤)