東風西風(2025年3月5日)
3月1日に大学3年生などを対象にした会社説明会が解禁され、就職活動が本格スタートした。しかし、少子化・人口減少で人手不足が深刻化する中、この解禁日はもはや形骸化しており、すでに2月の時点で内定を出している企業も多いという▼就職活動にはつきものの企業面接、本来は企業側が欲しい人材かを見極めるために行うものだが、超売り手市場の昨今では逆に学生が面接官の対応を見て、行きたい会社かを判断する基準の一つにしているとか。面接官の不適切発言やハラスメントなどをチェックする企業向けのAIサービスもあり、人気を博しているようだ▼どの業種も人材確保に苦労する時代で、以前に比べれば負のイメージはなくなってきたものの、まだまだ人気業種とは言い難い廃棄物処理・資源循環業の企業が、求める優秀な人材を確保するのは至難の業だ。しかし、国は循環経済を「国家戦略」と位置付けており、国際競争力を取り戻すための切り札にと期待している。その重要な土台を担うのが、廃棄物処理・資源循環業界だ▼この業界の成長・発展なくしては循環経済の実現はあり得ない。優秀な人材が集まる魅力的な業界にしていくための施策を、国と業界が一体となって考えていくべきだ。(心)