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東風西風とうふうせいふう

このほど始まったNHK大河ドラマの主役・徳川家康が開いた江戸幕府。その後約260年続いた江戸時代は、米の生産力が政治・経済力の中心で、幕府・各藩が新田開発などに力を注いだ。拡大していった農業生産を支えたものの一つが、都市から出るし尿だった▼し尿は有価で農家に引き取られ、稲わらなどを加えて肥溜めで熟成し肥料として利用され、栽培した農作物は都市住民の食料となった。域内の資源を活用した循環型社会の好例と言える▼域内の資源循環の要となっていたし尿由来肥料も、近代化と国際化の進展などにより衰退し化学肥料に置き換わった。しかし、ウクライナ危機などによる化学肥料の高騰をきっかけに、下水汚泥の肥料利用として改めて注目を集めている▼こうした中、国交省と農水省は先月23日、下水汚泥の肥料利用の拡大に向けた方針案を示した。国と自治体、関係団体の情報共有や連携体制の構築、負のイメージの改善策として重金属モニタリングの徹底や情報公開など、速やかに実行する施策を打ち出した。名称も含めた新たな公定規格の検討も提起した▼江戸時代には戻れないが、学ぶことはできる。下水汚泥肥料という足元の資源を生かし、新たな時代の資源循環型社会づくりを確かなものにしたい。(宜)