東風西風 とうふうせいふう

SDGs、環境問題への意識の高まり、さらにはコロナ禍でエッセンシャルワーカーとして廃棄物処理業への世間の見方は変わったと言われるが、実際にはまだまだのようだ▼最近大学時代の友人と久々にお互いの近況について話した。その友人は現在大手の建築設計事務所で派遣社員として働いている。そこの社員は大半が旧帝大卒の優秀な人たちばかりで、日本のさまざまな建築物を手掛けている▼そんな中で友人が参加するチームが手掛けているのが、廃棄物処理施設だという。友人は「良い大学出た優秀な人たちが廃棄物処理施設を担当させられてかわいそう」と漏らした。それを聞いて、「一般の人たちの廃棄物処理施設に対する印象なんてまだそんなものか」と残念に思った。本来、それほど優秀な人材が携わるほど廃棄物処理施設は重要なものだ。それが多くの人々に伝わっていないことには歯がゆさを感じた▼ある就職情報サイトが発表した「底辺の仕事ランキング」にもごみ収集スタッフなどが入っていた。しかし、ある廃棄物処理業の経営者は、「底辺、末端というのは経済を支える土台にもなり得る」と言い切った。業界に携わる人たちがこうした誇りを持って、もっと世間にアピールしていくことも必要だろう。(心)