東風西風とうふうせいふう

FIT制度開始以降、日本でも環境にやさしい再生可能エネルギーとして太陽光発電の普及が進んだが、FIT売電期間が終了したり寿命を迎えたりと、2030年頃から大量の使用済み太陽光パネルが排出されることが予想され、その処理が新たな環境問題となることが危惧されている▼そうしたことから、一部の廃棄物処理業者などで太陽光パネルリサイクル等の体制整備に向けた動きが出始めており、多くのメディアでも取り上げられるようになった。しかし、リサイクルに比べリユースはまだあまり注目されていないように感じる▼ある処理業関係者は「廃棄されるパネルの中にまだ発電できるものが含まれていることが多い。パネルの寿命は20年前後とされるが、実際はもっと長く使えるはず」と指摘する。ただ、まだ太陽光パネルリユースが定着していないことから、施設解体の際に出るものは重機による作業で破損してしまったり、売却目的で付属されている送電用銅線ケーブルが切り取られてしまったりと、本来リユースできたパネルがリサイクルや埋め立て処理に回さざるを得ない状態になっていることが多い▼こうした問題は個別事業者では解決が困難なので、行政等がしっかりと啓発していくことが必要だろう。(心)