東風西風とうふうせいふう
2006~20年に14回連続で一般廃棄物のリサイクル率で日本一になった鹿児島県大崎町。27分別におよぶリサイクルの徹底で焼却炉なしで廃棄物処理事業に取り組んでいる。同町には今、発展途上国の留学生が集まり研修を行っている。「大崎システム」と呼ばれるこの低コストのごみ処理方式を学ぶためだ▼留学生を受け入れること自体は特筆することではないが、興味深いのは彼らを受け入れる体制だ。日本で唯一の公立日本語学校を運営する北海道東川町で日本語を学んだ後、留学生を受け入れる。慶応義塾大学SFC研究所の助言を受け、東川町と協働で「リサイクル留学生プロジェクト」を立ち上げた▼外国人が日本で仕事を覚えるためにはやはり日本語をマスターすることが必須。特に、廃棄物処理の現場は危険を知らせる言葉や、文字の理解は不可欠である一方で、現場に従事する外国人は増えてきている。彼らは配偶者が日本人だったり、日本語学校に通った経験のある人もいて、言葉のコミュニケーションはとられている人が多いようだが、日本語を確実に学習した後に現場で受け入れるこの仕組みは、産廃処理業の外国人雇用の参考になる。各国で直面する資源循環問題。日本の取り組みが注目されている。(平)