東風西風(2024年12月11日)

日本酒好きの友人と蔵開きイベントを体験してきた。酒蔵の「新酒を祝う祭り」で、蔵見学や酒造り唄の実演など企画は盛りだくさんだが、メインは立ち飲み。地元漁港の漁師の浜焼きをはじめ、天ぷら、焼き鳥、唐揚げなど地場の名物の屋台が並び、それらを肴にしぼりたての新酒や樽酒、限定酒などを楽しむという寸法だ▼グループや家族連れが大挙して押し寄せ、販売コーナーは長蛇の列。最初の一杯を手にするまでが一苦労だったが、そのかいあって試した新酒の味は実に美味。格別だ。だが、感心したのは酒の味だけではない▼訪ねたのは、カーボンゼロの日本酒や官民農連携でつくる環境配慮の日本酒など「サステナブルな酒造り」を掲げる蔵・神戸酒心館。ごみ分別も秀逸。はし・竹串、プラカップ、食品トレー・パック、缶・ビン、ペットボトル、その他と、実に6つもの箱を用意し、分かりやすく色分けして横一列に▼ごみを捨てに来るのは、飲んで食べての老若男女。すでに上機嫌の様子だが、みんな示された通り、きちんと丁寧に分別していく。きちんと分別できる場があれば、皆やるんだな。素晴らしい▼駅や公共の場でごみ箱が減っている。危険物投入や不法投棄を理由にするが、それだけだろうか。回収の場を用意することは売り手の責任に思う。(孝)