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東風西風 とうふうせいふう

10月1日が「浄化槽の日」であることを「環境大臣になって初めて知った」。2019年同日の記者会見。環境大臣に就任して間もない小泉進次郎氏はこう述べた。「~の日」は数多あり、知らなくても驚くことではない。「無知」を率直に認める姿勢は当時から変わらない▼同日は「浄化槽の日」を記念する全国浄化槽大会が開かれ、小泉氏は「浄化槽のおかげで生活が成り立っていることに感謝し課題に取り組んでいく」とあいさつしている。同大会には現在自民党総裁の座を争っている小林鷹之元経済安保相も出席。自民党浄化槽推進議員連盟事務局長として記念講演に登壇、この年に議員立法で成立した改正浄化槽法についてそつなく解説した▼改正法の主眼は単独浄化槽の合併浄化槽への転換を加速すること。そのために生活環境への悪影響が懸念される単独槽の撤去を都道府県等が指導できる制度を設けた。加えて浄化槽の実態を把握するための台帳整備を都道府県知事に義務付けた▼新たな制度はできたものの未だその活用は十分ではない。汚水処理未普及地域の解消、人口減少下における分散型システムとして、浄化槽の役割はますます重要になっている。小泉、小林両氏には、総理になってもならなくても浄化槽対策への注力を期待したい。(宜)