東風西風 とうふうせいふう

2年前の2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行されたのがまだ記憶に新しい中、また新たな資源循環に関連する法案、「再資源化事業高度化法案」が先月15日に閣議決定された。新法では基本方針の策定、処分量の多い産廃処分業者の再資源化実施状況の報告および公表、再資源化事業等の高度化にかかる認定制度の創設などの措置が予定されている▼こうした法整備など、日本でも資源循環、サーキュラーエコノミーを実現する社会への移行は待ったなしの状況となって来ている。ただ、それぞれの分野ごとに資源循環や発生抑制を進めていく中で、矛盾や問題点なども生じてきている▼例えば、プラ資源循環促進法ではなるべく使い捨てプラを減らす方向が打ち出されている。食品を保存するためのラップフィルム等も使い捨てプラの一つと言えるが、そのラップに包んでキュウリを保存すると、そのままで保存するのに比べて保存期間が3倍ほどに伸びるという。使い捨てプラを減らすことが、今度は食品廃棄物を出すことにもつながりかねない▼法制度を整備することはもちろん重要だが、その趣旨がきちんと果たされるよう、分野を超えたさまざまな関係者による議論、検討を十分に重ねていくことが必要だと感じる。(心)