東風西風とうふうせいふう
循環型経済、サーキュラーエコノミーといった言葉は今では当たり前に使われるようになったが、数十年前にリサイクル業者が循環ビジネスという言葉を使ったところ、医療(循環器)関係の話と思われたこともあったとか▼今や定着した感のある「サーキュラーエコノミー」だが、日本での定義はまだ曖昧のようにも思える。従来の資源を抽出して製品を製造、消費、廃棄する経済をリニアエコノミー(直線型経済)、資源をリサイクルし回していく経済がサーキュラーエコノミーと言われるが、以前は頻繁に使われていたものの、最近では見聞きすることが少なくなった3Rとはどう違うのか▼国際的なサーキュラーエコノミー推進団体のエレン・マッカーサー財団は、「廃棄物と汚染を生み出さないデザインを行う」「製品と原料を使い続ける」「自然システムを再生する」をサーキュラーエコノミーの3原則としている▼3Rは極力ごみを出さずできる限りリユース・リサイクルするという考え方だが、サーキュラーエコノミーはそもそも廃棄物や汚染を出さずに資源を循環することを目指しており、製品製造の段階から設計を見直すことが求められる。実現には、これまで以上に動脈産業と静脈産業が連携を密にしていくことが不可欠だ。(心)