使用済み紙おむつを衛生的に資源化 栗田工業

栗田工業は使用済紙おむつを殺菌・洗浄し、製品原料や燃料にする「クリタサムズシステム」を開発した。処理能力は同システム3台で一系列として13・5トン/日となる。使用済みおむつはビニール袋に入ったままシステムに投入しても分別されるため、衛生面でメリットがあるほか、破袋の手間がなくなり作業効率を向上することができる。処理水は回収されるため、排水量を抑えられ、廃熱は有効利用され省エネが図れる。

廃棄物を焼却処理する場合、水分の多い生ごみや、使用済み紙おむつはじめは燃えにくいものの、水分が蒸発しカロリーの高いビニールなどが燃え始めると温度が急上昇し焼却炉を傷める原因になっている。また。燃料を使用する必要もあり、エネルギー消費量量やCO2排出量の削減が課題だ。

この状況を受け、環境省は「使用済み紙おむつの再生利用などガイドラン」を作成し、使用済み紙おむつのリサイクル促進を図っている。

現在、同ガイドラインに示されている技術は、「水溶化・分離処理によるパルプ・プラスチック回収方式」「水溶化・分離・オゾン処理による水平リサイクルに向けたパルプ回収方式」「洗浄・分離処理によるパルプ・プラスチック回収と熱回収方式」「破砕・発酵・乾燥処理による燃料化製造」の4つ。今回の技術は「洗浄・分離処理によるパルプ・プラスチック回収と熱回収方式」に該当する。