c環境新聞オンライントップバナー2階層目以降サイズ:W 850× 150

 理研と九大 POMの分解・再資源化技術を開発

理化学研究所および九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所を中心とする共同研究グループは、再資源化が困難なプラスチック「ポリオキシメチレン(POM)」を分解して再資源化へつなげる技術を開発した。同技術は、高分子固体酸触媒PAFR IIとマイクロ波加熱を組み合わせて利用するもので、持続可能な化学産業の構築や循環型社会の実現に寄与することが期待される。

プラスチックは現代社会に欠かせない素材だが、その多くは分解が困難で、再利用が難しく環境への負荷も大きい。特に需要が拡大しているPOMは、熱分解温度が高いため、再利用が難しいという課題があった。

これを解決するため、共同研究グループは二酸化炭素排出量を低減しながら、POMを分解して高付加価値化合物に変換する新たなケミカルアップサイクリングの開発に 挑んだ。

具体的には、「非熱的マイクロ波効果」に着目し、高い触媒活性を備えたPAFR IIとマイクロ波加熱を組み合わせることで、POMを効率的に分解・変換し、高付加価値化合物へと導くことが可能となった。同手法は、POM廃材から有用な化学品を選択的に合成できるという実証結果を得た。

実用性の検証として、使用済みのPOM製プラス製品を使って実験を行い、有用な化学品である13-ジオキサンを高い収率で得た。さらに、この技術を用いて新たな化学製品の合成も行い、収率63%、55%を得た。

同研究は日本学術振興会(JSPS)や内藤記念科学振興財団などからの助成を受け、環境省による「革新的な省CO2実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速化事業」で得られた。

使用済みプラから有用物質を得る新たなリサイクル手法の普及は、マイクロプラ問題やCFRPの処理に対する環境対応技術として応用できる。「エンジニアリングプラスチックごみが未来の資源になる」という可能性を示し、国際連合が定めた持続可能な開発目標(SDGs)への貢献につながる。今後5~10年以内を見据えて、基礎・応用の両面で研究を加速させ、企業との連携によるスケールアップや、POM以外の廃プラスチックへの応用展開を目指す。

おすすめ記事 recommend