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経産省予算 水素製鉄などGX支援は計1.5兆円 電気・ガス、ガソリン負担軽減に6・1兆円

経済産業省の2023年度当初予算案と昨年の臨時国会で成立した22年度補正予算を合わせた“16カ月予算”は計12兆8170億円(補正11兆1274億円)となった。GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債の発行で賄う規模は当初予算が4896億円、補正予算分が1兆439億円で計1兆5335億円。グリーンイノベーション(GI)基金は2兆円で立ち上げたが、当初と補正予算合わせて計7564億円を上積みし、水素サプライチェーンの構築事業などに振り向ける。

一般会計の“16カ月予算”は計11兆2567億円(補正10兆9072億円+当初3495億円)。エネルギー対策特別会計は計9254億円(補正2202億円+当初7052億円)。特許特別会計は1454億円だった。

★高温ガス炉、新規48億円

エネルギー価格高騰への対応やエネルギー安全保障・資源の安定供給の確保には計7兆710億円を計上。

①今後の電気・都市ガス料金の上昇等によって影響を受ける家計や価格転嫁の困難な企業の電気・都市ガス料金の負担軽減や、ガソリン等の燃料油の卸売価格抑制を通じた小売価格急騰の抑制を図る。また、スマートメーターや大型LPガスタンクの導入等によるLPガス事業者のコスト低減を通じた小売価格低減を図る=電気・ガス価格激変緩和対策事業〈補正〉3兆1074億円、燃料油価格激変緩和対策事業〈補正〉3兆272億円、小売価格低減に資するLPガス配送合理化補助金〈補正〉138億円(エネ特)など。

②エネルギーコスト高に強い体質の構築につながる先進的な省エネ設備(バイオマス・水素等の非化石エネルギー転換に資する設備も含む)の導入支援や、中小企業向け省エネ診断の拡充、省エネ技術の開発・実用化を通じて、需要サイドのエネルギー構造転換を進めるとともに、家庭部門の省エネを強力に推進する=省エネ設備への更新を促進するための補助金〈補正〉500億円(国庫債務負担含め総額1625億円)、住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業〈補正〉900億円(GX)、高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネ推進事業費補助金〈補正〉300億円(エネ特)など。

③2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネについては、地域と共生可能な事業規律の強化を大前提に、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスの最大限の導入促進と、これらを支える系統整備の加速や蓄電池・水電解装置を含めた調整力の確保を進める=需要家主導型太陽光発電および再エネ電源併設型蓄電池導入支援事業費補助金〈補正〉255億円(エネ特)、再エネ導入拡大に資する分散型エネルギーリソース導入支援事業〈補正〉250億円(エネ特)、洋上風力発電の導入促進に向けた採算性分析のための基礎調査事業〈当初〉36億円(新規、エネ特)など。

④原子力産業の人材・技術・産業基盤の維持・強化、米仏との協力を通じた高速炉等の基盤技術開発を進める=高温ガス炉実証炉開発事業〈当初〉48億円(新規、GX、国庫債務負担含め総額431億円)、高速炉実証炉開発事業〈当初〉76億円(新規、GX、国庫債務負担含め総額460億円)、電源立地対策交付金〈当初〉745億円(エネ特)など。

⑤日本企業による石油・天然ガスの権益獲得・維持に必要なリスクマネーの供給や技術支援、緊急時に機動的な放出を行う石油備蓄体制の確保を進める=石油天然ガス田の探鉱・資産買収等事業に対する出資金〈当初〉479億円(エネ特)、緊急時放出に備えた国家備蓄石油および国家備蓄施設の管理委託費〈当初〉458億円(エネ特)など。

⑥メタンハイドレートといった国際海洋資源やレアメタル・レアアースといった鉱物資源の開発を推進する〈当初〉383億円(エネ特)。

★EV・FCV普及へ

脱炭素社会の実現には補正で2兆3686億円、当初で8515億円の計3兆2201億円を計上した。ほかに産総研交付金618億円、NITE交付金78億円それぞれの内数も含む。

①50年カーボンニュートラルの実現に不可欠な、炭素の代わりに水素で鉄鉱石を還元する水素還元製鉄やCO2を原料として素材、製品および燃料等を製造するカーボンリサイクル等の革新的技術の開発と社会実装を一層加速させる。水素・アンモニアの大量導入に向けた国内外での水素サプライチェーン構築、革新的な水素製造、貯蔵、利用技術や燃料アンモニア製造技術の開発を支援する。また、30年のCCS(CO2回収・貯留)事業の開始に向け、先進的なCCS事業を支援する=GI基金事業〈補正〉3千億円、〈当初〉4564億円(新規、GX)、競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業〈当初〉80億円(新規、エネ特)、先進的CCS支援事業〈当初〉35億円(新規、エネ特)など。

②EV・FCV等の普及、充電・水素充填インフラの整備を支援するとともに、中小サプライヤー等の業態転換を支援する=クリーンエネルギー自動車導入促進補助金〈補正〉700億円、〈当初〉200億円(新規、GX)、充電・充填インフラ等導入促進補助金〈補正〉200億円、〈当初〉100億円(新規、エネ特)など。