電事連 大阪・関西万博パビリオン 「電力館 可能性のタマゴたち」を披露 エネルギーの可能性を楽しく探る体感型

電力会社10社で構成する電気事業連合会は6日、大阪・関西万博に出展するパビリオン「電力館 可能性のタマゴたち」が完成したとして、報道機関に公開した。タマゴ型デバイスを持って館内を巡り、エネルギーの可能性を探し求める体験型施設で所要時間は約45分。

入り口を抜けると、暗闇の中にカラフルに光るタマゴが並ぶ。来場者はその中から一つを選んで首に掛けてスタートする。最初の「プレショーエリア」では、ランダムに並ぶスクリーンの映像と手にしたタマゴの光り方の連動から、「エネルギーの可能性を探して未来を切り開く」というパビリオンのテーマが感覚的に伝わる。

続くメインショー(可能性)エリアには、潮流、波力、マイクロ水力、風力、ペロブスカイト太陽光、宇宙太陽光、マグマ、振動力、音力、海洋温度差、植物、ミドリムシなどの各種発電のほか、直流送電、ヒートポンプ、 水素、ソルガム、コンクリート電池など、30のエネルギー展示が点在。中には、「うどん」やシビレエイなどユニークなものもあり、それぞれのエネルギーの特徴や面白さをゲームや映像、音響などで発信する。

来場者は15分程の間、各種のエネルギーの可能性に自由に挑戦できる。例えば「核融合」では重水素と三重水素を融合させる発電原理をゲームで体験。2つを合体させることの難しさが体感的に分かる。「無線給電」はシューティングゲームを通じて無線充電社会の便利さを教える。「振動力発電」は、個々の足ふみによる振動で発電。チームに分かれて発電量を競い合う。

それぞれに未来エネルギーを集め楽しんだ後は、メインショーの「輝きエリア」へ。可能性エリアで皆が集めたエネルギーが光となり、音楽とシンクロし、個々のタマゴも呼応するように光りだす。未来エネルギーと命の輝きを表現する4分間の光のミュージックショー。大空間に響く音楽と光のダンスが見ものだ。

最後の「ポストショー」では、さまざまなエネルギーについての説明パネルを展示。メインショーでの体験を振り返り、身近なところにあるエネルギーの可能性を実感させる。

「タマゴ型デバイス」(直径約10センチメートル、重さ約310グラム)には卵の殻(上部、5%)、ホタテの貝殻(下部、15%)などの廃材を配合。建屋を取り囲む敷地(約1千平方メートル)の舗装には太陽光パネルの廃棄ガラスを骨材とするインターロックブロック(北陸電力開発)を採用し、一部には能登半島地震で発生した廃瓦も活用。スタッフのユニフォームはリサイクル素材で、閉幕後にリサイクルを予定するなど、細部に環境配慮がある。

「ワクワク感を感じさせる未来エネルギーを集めた。ライドに乗って展示を見て回る受け身型ではなく、身体を動かし、楽しい体感を通してエネルギーについて学び考えてもらえるパビリオンを目指した」と岡田康伸館長。文章やテレビ、スマートフォンの画面では伝えきることができない「現地で体験してこそ」の施設に仕上がっている。

電事連  大阪・関西万博パビリオン 「電力館 可能性のタマゴたち」を披露 エネルギーの可能性を楽しく探る体感型_ゲームで知る「核融合」の様子
ゲームで知る「核融合」の様子
電事連  大阪・関西万博パビリオン 「電力館 可能性のタマゴたち」を披露 エネルギーの可能性を楽しく探る体感型_電力館の外観
電力館の外観