昔から「分ければ資源、混ればごみ」と言われるように、リサイクルの進展には分別・選別が不可欠だ。4月にはプラスチック資源循環促進法がスタートしたが、プラスチックの再資源化を加速させるには、いかに素材ごとに選別していくかが大きなカギとなる▼循環型社会実現に必要な「選別」だが、これを産業廃棄物の中間処理と認めるかについては、許可を出す都道府県・政令市によって判断が分かれている。選別単独で中間処理と認めているところはむしろ少数派だ▼中間処理と認めない理由としては、「分けるだけで廃棄物の性状を変えていないので処理とは言えない」ということだ。そうした地域では選別だけで施設を設置することはできず、破砕施設などを併設しなければ事業を行えない▼以前は選別と言えば作業員による手選別のイメージが強かったが、現在はこれに加え光学選別などさまざまな技術を駆使した機械選別などを取り入れるところも増えている。分けるだけで性状を変えない、特殊な技術を必要としない、といった理由で多くの自治体が産廃の中間処理として認めてこなかったが、循環型社会にとって不可欠で、日々進化している「選別」の位置付けについて、考え直す時期に来ているのではないだろうか。 (心) |