プラスチック資源循環促進法により、これまで「可燃ごみ」として処理してきたプラスチックごみが「資源ごみ」として回収・資源化されることになれば、「可燃ごみ」は燃えにくい生ごみが大きな割合を占めるようになる。生ごみはプラスチックに比べカロリーが低い。その不足を補うため、これまで以上に重油などを補助燃料として使うとなれば脱炭素どころではない▼ごみ質の変化は焼却中心の都市ごみ処理に変化をもたらす。実際、生ごみをメタン発酵処理して発電に利用するなど、焼却炉と組み合わせたシステムの導入が始まっている。し尿・浄化槽汚泥など他のバイオマスと合わせて下水処理場でメタン発酵処理するのも有力な選択肢だ▼本号7面でNJSの西澤氏が述べているが、生ごみの受け入れは下水処理場のエネルギー自立化の鍵となる。ディスポーザーを導入し下水管で運べば収集運搬コストも削減できる。ごみ出しの負担も軽くなり悪臭に悩むこともない。一石二鳥、三鳥にもなる▼ごみ処理と下水処理は人口減少、脱炭素化を前に、広域化・共同化など共通の課題を抱える。地域で資源・エネルギーが循環する仕組みづくりは共通の目標でもある。生ごみやディスポーザーの活用など例に、より一層の連携強化を期待したい。 (宜) |