改正法よる石綿規制強化の施行が近づくなかで関連記事をまとめていて、昨年末の騒ぎを思い出した。一部のメーカーが製造販売した珪藻土製品に石綿(アスベスト)が含まれていることが判明した一件を振り返ってみたい▼わが国では06年から重量の0・1%以上のアスベストを含有する製品については製造、輸入、使用などが禁止されており、今頃どうしての感があったが、混在商材は1つや2つではなく、当該企業が続々と「お詫びと回収」を発表した▼「珪藻土バスマットにアスベスト」の文字が乱舞したことから、珪藻土が危ないと誤解する人もあったようだが、珪藻土は藻類(ケイソウ)の殻の化石の堆積物で成る自然素材。粒子に多数ある穴に水分や湿気を保持する性質があるため吸水性や断熱性に富み、建材としても重宝される▼持ち味が最大に発揮できるバスマットは「速乾・快適」だと人気が高い。偶然にも一つ購入したばかりだったので慌てて確認したところ、回収対象外でまずは一安心。だが、まもなく不安が押し寄せた。説明書に、吸収力が衰えたときは表面を削って汚れを落とすようにとあり、親切に紙やすりまで付属されている商品なのである。なぜ混在したのか理由を追求し、再発を防止することが非常に重要だ。 |