療養病床の再編へ経過型報酬等を了承 介護給付費分科会 UPDATE:2006/07/03

療養病床の再編へ経過型報酬等を了承

  • 介護給付費分科会
  • 介護施設のあり方見直しへ

 社会保障審議会介護給付費分科会は六月二十八日、二〇一一年度末の介護療養病床の廃止に向け、病院が段階的に老人保健施設などに転換できるよう人員配置などの要件を緩和した「経過型介護療養病床」の報酬や老人保健施設の設備基準の要件の緩和などについての諮問を了承した。医療ニーズのある利用者についても介護施設でケアを提供することになるのを踏まえ、施設サービスの見直しを引き続き議論する。論点整理を行うための「介護施設等のあり方に関する検討委員会」の設置も了承された。療養病床再編を織り込んだ地域での医療、介護体制のビジョンについては今後厚生労働省が「地域ケア整備指針」を作成する考え。七月からは医療療養病床の医療必要度の低い患者の診療報酬が引き下げられることになっており、退院を迫られる患者の「受け皿対策」は待ったなしだが、当面の状況について特効薬はない状況だ。(以下略)

訪問介護の特定事業所加算

  • 利用者負担増で撤廃求める
  • 東京都青梅市の石川静さん  

 東京都青梅市の石川静(きよし)さん(七一)は、介護報酬改定で創設された訪問介護の特定事業所加算を算定している事業所を利用すると、利用者負担が一〜二割増しになるだけでなく、限度額内で利用できるサービスも減りさらに負担が増えると訴え、国や政党に文書を送った。「不条理なこの制度を撤廃すべき」と繰り返し制度に対する異議を唱えている。
 石川さんはC型肝炎、水腎症のほか、せき髄動静脈奇形などによる下肢まひもあり、要介護5の状態。二つの訪問介護事業所と契約して一日四回、一回三〇分〜一二〇分の訪問介護を利用している。毎月限度額ギリギリまで利用し、超えることもしばしばある。
 しかし今年四月、主に利用しているA事業所が、新設された特定事業所加算を取得したことから、基本単位数が一〇%アップ、それが石川さんの利用者負担として上乗せされ請求されてきた。
 四月分の請求額は、もう一つの事業所は三月分とほぼ同額だったが、A事業所は二万二五〇七円増えて四万八八〇六円にアップ。限度額を超えた全額負担分も含まれている。合計すると約六万円となり、なんと三月分の一・六倍となった。石川さんは請求書を見て驚いたという。(以下略)

鹿児島市・包括センター

  • 「万全」期して設置見送り
  • 認定率20%で頭打ちに

 鹿児島市は、四月からの地域包括支援センターの設置を見送った。鹿児島県では同市を含め一一市町村が四月設置を見送っているが、同市の場合には「西高東低」と言われていた認定率が二○%を超えたところで頭打ちになったことで、介護給付費の抑制効果があるとされる介護予防への取り組みが喫緊の課題ではなくなったというのが一因のようだ。包括センターの設置を一年間遅らせて、来年度から準備万端で「全国一の包括センター」を立ち上げ、遅れを取り戻していく考えだ。
 鹿児島市は包括センターについては昨年の夏ごろには早々と設置の見送りを決めていた。国の制度設計が遅れがちだった中で、「形だけの予防システムは作れても、実際の運用は進まないと判断した。介護予防には本気で取り組みたいからこそ見送った」というのが市介護保険課の説明だが、認定率が頭打ちの状態で落ち着き、今後介護給付費の急増が見込まれないという要因もありそうだ。(以下略)

積極姿勢は少数?

  • 主な企業の動向まとめ 需要増は共通認識

 介護保険の在宅サービスを主軸としている大手各社も、「他社のケアマネからの依頼が増えている」「今後の利用の伸びを想定して料金設定を見直した」など、保険外への需要増を指摘する声は共通だ。
◆   ◆
 最大手のニチイ学館が保険外の「アイリスまごころサービス」を始めたのは○四年十二月から。メニューは、ヘルパーが同行して外出を支援する「お出かけ・安心サポート」と、家事援助全般を行う「暮らしのサポート」。料金設定は介護保険での身体介護・生活援助の報酬単価を横滑りさせている。つまり、前者の「お出かけ」を九○分使うと身体介護で五八四○円。
「料金については、介護保険サービスとの違いをきちんと説明しているので特に不満の声などはありません。今後も需要は増えていくと予想していますが、当面はこのままの体制で続けていく考えです」(広報室)
 実績は昨年度三月分で二五○○万円。売り上げ総額二八億円にする比率はまだ一%未満だ。
 介護報酬単価と横並びの料金設定を見直す動きに転じたのは、ジャパンケアサービスとセントケアだ。
 ジャパンケアでは、保険外の「相対サービス」を七月から介護報酬の九割の料金で行うことを決めた。ひと月あたりの利用回数は一○○〜二○○回程度とこちらも比重は小さいが、「利用者は増えています。介護保険で利用できるサービスや時間への制限が大きくなってきていることもあり、もっと使いやすい料金にする必要があると判断しました」(スーパーバイザーグループ)。(以下略)

通所リハの効果検証へ

  • 全国老人デイ・ケア研究大会 プログラム標準化

  全国老人デイ・ケア連絡協議会(斉藤正身会長)と全国老人保健施設協会(漆原彰会長)が主催する「第一四回全国老人デイ・ケア研究大会」が二十三日から二日間、長野県軽井沢町で開催された(写真)。大会長を務めた若月健一氏(佐久総合病院老人保健施設長)は、「四月から施行された改正介護保険は介護予防の新設などリハビリテーション重視が打ち出された一方で、保険財政の適正化の面から自己負担増額や給付抑制など事業者・利用者双方にとって厳しい内容となった。利用者や家族、地域住民から納得が得られるサービスを現場から実証し、アピールしていかなければならない」と挨拶。通所リハのてこ入れは入所期間の長期化が課題となっている老健施設も同様であり、連携して通所リハのあり方を探っていきたいとした。研究大会での全老健との共催は今回が初めてだ。連絡協では現在、中重度者の在宅継続にも役立つ通所リハのプログラムの標準化にも取り組んでおり、秋までにガイドラインを完成する予定という。(以下略)







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