東大に老年学研究部門 4月から 学際的な研究拠点に UPDATE:2006/06/01

改正後の実態「不満」8割

  • 東社協アンケート
  • 早急な見直しを提言へ

 東京都社会福祉協議会はこのほど、改正介護保険施行後の実態について、六六○人のサービス利用者に対して行ったアンケート調査結果をまとめた。四月以降に認定更新を受けて予防給付の対象になった人はすでに半数を超える三五一人。「今まで利用できたサービスが受けられなくなって困っている」「納得がいかない」などの不満・不都合を訴えた人は全体の八割に上っている。九月までの経過措置を待たずに福祉用具を制限されたり、同居家族がいるからと一律に生活援助を止められたケースなどもある。施行からまだ二カ月だが、東社協では利用者の実態を反映させた見直しが早急に必要であるとし、緊急提言をまとめる準備を進めている。(以下略)

社会保障費 25年には141兆円

  • 在り方懇報告書 「介護は対象拡大を」

 社会保障制度の一体的な改革を検討してきた安倍晋三官房長官の私的諮問機関「社会保障の在り方に関する懇談会」は五月二十六日、最終報告書をまとめた。二〇二五年には一四一兆円に膨らむとの社会保障給付の推計をもとに、「必要な給付に対する安定的な財源を確保すべき」として消費税の引き上げに言及。介護保険制度については、「年齢や原因を問わず、すべての介護ニーズに対応する″制度の普遍化″を目指す」とし、被保険者・受給者範囲を拡大の方針とした。
 社会保障の給付と負担の見通しは、年金制度改革や、介護保険制度改革、今国会で成立した医療制度関連改革を踏まえて二年ぶりに推計された。今後社会保障政策を検討する際の前提となる。(以下略)

全在介支を再公募

  • 企業、NPO、農協も 
  • 神戸市

 神戸市は、介護保険以前から民間委託に積極的だったが、地域包括支援センター(愛称あんしんすこやかセンター)も七つの営利法人を含む民間法人に広く委託した。市は介護予防支援事業を行なわず、各区に置いた「あんしんすこやか係」が各センターの公平・中立性の確保に目を光らせていく形をとる。
 七七の日常生活圏域ごとに設置されていた在宅介護支援センターを公募し直した。以前は三〇の社会福祉法人が四〇圏域、一三の医療法人が一六圏域、七つの株式会社が一〇圏域、八つのその他法人が一一圏域で計五八法人が運営主体だった。
 昨年秋に行った再公募には七五法人から一一八件の応募があった。多数の圏域で競い合いが生じ、委託されたのは法人数では以前と同じ五八法人だが、「センター数では九件、法人数では六法人が入れ替わった」(丸本博地域包括支援係長)。
 新センターは三二の社会福祉法人が四五圏域、一二の医療法人が一五圏域、七つの株式会社が八圏域、七つのその他法人が九圏域の運営主体となり、社会福祉法人の割合が増えたものの、株式会社は七法人が残り、その他法人の顔ぶれもNPO、生協、農協などでおそらく全国的にも最も多様だろう。
 新センターの設置数は、二圏域を一つの拠点で運営するケースが二カ所あるため七五となったが、職員配置については七七圏域すべてに三職種が配置され、総勢二五一人による介護予防支援事業が行われている。(以下略)

特養の″看取り″を支援

  • 特養ホーム市民の会セミナーで
  • 看護師の役割強調

 特養ホームを良くする市民の会(本間 郁子理事長)は五月二十六日、都内で特別養護老人ホームのターミナルケアについての勉強会を開催した。講師として登壇した厚生労働省社会援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室の石原美和介護技術専門官は、報酬改定で新設された重度化対応加算と看取り介護加算について、「加算取得のための体制と環境整備のハードルは高くない。多くの施設で取り組んでもらいたい」と話し、特に日常のケアを通じて状態の判断や予測を行う看護師の役割が重要になると強調した。同省では現在、施設看護職の業務やターミナルケアを整理したテキストも作成中という。(以下略)

東大に老年学研究部門

  • 4月から 学際的な研究拠点に

 東京大学は今年度から日本生命など三社の協力を得て「ジェロントロジー(老年学)寄付研究部門」を設置した。サクセスフル・エイジングの追求や高齢者が健康で生きがいをもって、生活できる社会に向け多様な視点でアプローチする学際的分野だ。
「日本初のジェロントロジーセンターを目指したい」
 そう話すのは秋山弘子教授だ。ミシガン大学から、一〇年前に帰国。四月から老年学部門の総括のポストに就任した。日本ではなじみが薄いが、先進国アメリカでは大学に研究センターの設置が当たり前という。
 専門は社会心理学。そのほか工学、公共政策、医学、社会科学など多様な専門分野の教授陣が運営委員に顔を揃えるのは「象牙の塔」の掟破り。学問の細分化に危機感をもつ小宮山宏総長が、ジェロントロジーの「学際性」に期待を寄せて開設を後押しした。(以下略)







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